熱流体力学 / 2級 · 3つのテーマを一続きに
熱流体2級の基礎|レイノルズ数・ベルヌーイ・フーリエの法則を図解
流れの性質を比べる、圧力と速度を結ぶ、温度差から熱を求める。代表的な用語と公式を、単位・具体例・適用条件から解説します。
何を比べ、何を保存し、何が流れるかを、計算の前に説明できる。
STEP 1
レイノルズ数:流れを比べる共通の物差し
同じ速度でも、水と空気、小さい模型と実物で流れ方は同じでしょうか。速度だけでは比較できないので、長さと粘性も含む比を使います。
Reは慣性と粘性の相対的な影響を表す無次元数です。代表長さや代表速度は、調べる流れに合わせて選びます。

式を、日本語で読む
順を追って考える
- Uは代表速度[m/s]、Lは代表長さ[m]、νは動粘性係数[m²/s]です。
- U×Lの単位もm²/sなので、νで割ると単位が消えます。
- 線図や別の資料と比較するときは、同じ代表量を使っているか確認します。
具体的な数字で確かめる
U=20m/s、L=5m、ν=10⁻⁵m²/sならRe=10⁷。長さを半分にし、同じ流体でReを保つなら、速度を2倍にします。
STEP 2
ベルヌーイの式:速度が下がると圧力はどうなる?
空気が断面の広がる流路へ入り、同じ高さのまま減速する場面です。速度に対応するエネルギーの一部が、圧力として現れます。
定常・非圧縮・非粘性で軸仕事がない場合、同じ流線上では静圧・動圧・高さの項の和が一定です。ここでは同じ高さなので高さの項を省きます。

式を、日本語で読む
順を追って考える
- 上流と下流を決め、同じ流線・同じ高さとして扱えるかを確認します。
- 速度をそれぞれ2乗し、差へ密度の半分を掛けます。
- 下流が遅くなれば右辺は正で、理想条件では静圧が上がります。
具体的な数字で確かめる
密度1.2kg/m³、速度6m/sから2m/sへの減速なら、圧力上昇は0.5×1.2×(36−4)=19.2Paです。
STEP 3
フーリエの法則:温度の傾きが、熱の流れを決める
熱い側と冷たい側を隔てる平板を考えます。温度差が同じでも、板が厚いほど温度変化は緩やかになり、熱が流れにくくなります。
熱流束qは1m²当たりに毎秒流れる熱[W/m²]です。熱伝導率λと温度勾配を使います。負号は高温側から低温側へ流れる向きを表します。

式を、日本語で読む
順を追って考える
- 厚さをmへ直し、温度差を厚さで割って勾配の大きさを求めます。
- 熱伝導率を掛けると熱流束の大きさになります。
- 面積を掛けると熱流量[W]、時間を掛けると熱量[J]です。
具体的な数字で確かめる
図の板は30℃と10℃、厚さ8mmです。熱伝導率65W/(m·K)、面積1m²とすると、8mm=0.008mなので、熱流束の大きさは65×20÷0.008=162,500W/m²。1時間=3,600秒で流れる熱量は162,500×1×3,600=5.85×10⁸Jです。
最後に、言葉で振り返る
次の3点を説明できれば、式の見方を整理できています。
- この式は、何を求めるために使うか。
- 各記号は何を表し、どんな単位を持つか。
- どんな条件では、この式をそのまま使えないか。
分からない点が残ったら、上の図・途中手順・適用条件へ戻ってみてください。
本記事はsafaによる独立した解説です。日本機械学会による監修・公認を示すものではありません。アプリの用語・図を土台に、式の読み方と計算例をWeb向けに構成しています。