固体力学 / 1級 · 3つのテーマを一続きに
固体力学1級の非線形解析|有限変形・降伏条件・ニュートン法を図解
形が変わる非線形性、材料が降伏する非線形性、それを解く反復計算。有限変形・降伏条件・ニュートン法をつなげて解説します。
非線形になる原因と、そのつり合いを探す計算を分けて理解する。
STEP 1
有限変形:形が変わると、つり合い方も変わる
細い板を大きくたわませる場面を考えます。変形前と後で、荷重を支える形や向きが変わります。材料が線形でも、形の変化で非線形になることがあります。
微小変形では無視していた変位勾配の2次の項などが、有限変形では必要になります。変位の大きさだけでなく、ひずみ・回転・荷重と支持の関係を見ます。

式を、日本語で読む
順を追って考える
- 元の長さの何倍になったかを伸び比λで表します。
- 微小な伸びなら、ひずみをλ−1で近似できます。
- 伸びが大きい場合は有限変形の尺度を使い、対応する応力と組にします。
具体的な数字で確かめる
100mmが110mmならλ=1.1。微小ひずみの近似値は0.1、Green–Lagrangeひずみは(1.1²−1)÷2=0.105です。
STEP 2
降伏条件:多方向の応力を、どう判定する?
引張試験の降伏応力が分かっていても、部品にはせん断なども働きます。複数の応力成分から降伏を評価する基準が必要です。
代表的な基準がミーゼスとトレスカです。どちらも静水圧成分だけでは降伏しないモデルですが、純せん断に対する判定値が違います。

式を、日本語で読む
順を追って考える
- 材料の単軸引張降伏応力Yを確認します。
- 純せん断という同じ状態で、二つの基準が予測する値を比べます。
- 引張試験と同じ値を、せん断応力へ直接当てはめないようにします。
具体的な数字で確かめる
Y=300MPaなら、純せん断の降伏応力はミーゼスで約173.2MPa、トレスカで150MPa。この状態ではトレスカが低い応力で降伏を判定します。
STEP 3
ニュートン法:内力と外力のずれを小さくする
非線形な部品では、変位が変わると硬さも変わります。一定の剛性を一度使うだけでは、つり合う変位を求められない場合があります。
現在の変位で内力を計算し、外力との差を調べます。その点の曲線の傾きである接線剛性から変位を補正し、つり合いに近づけます。

式を、日本語で読む
順を追って考える
- 今の変位で内力P(u)を求め、外力fとの差φを計算します。
- 接線剛性KTで補正量を求めます。φは内力−外力なので右辺は−φです。
- 補正後の変位で内力と接線を計算し直し、収束判定まで繰り返します。
具体的な数字で確かめる
内力900N、外力1,000N、接線剛性2,000N/mmなら残差は−100N。補正量は100÷2,000=0.05mm。次の点で残差を再確認します。
最後に、言葉で振り返る
次の3点を説明できれば、式の見方を整理できています。
- この式は、何を求めるために使うか。
- 各記号は何を表し、どんな単位を持つか。
- どんな条件では、この式をそのまま使えないか。
分からない点が残ったら、上の図・途中手順・適用条件へ戻ってみてください。
本記事はsafaによる独立した解説です。日本機械学会による監修・公認を示すものではありません。アプリの用語・図を土台に、式の読み方と計算例をWeb向けに構成しています。