応力–ひずみ線図:戻る変形と残る変形
意味
荷重を除いたとき回復する変形が弾性変形で、除荷後にも残る変形が塑性変形です。応力–ひずみ線図は、引張試験で測定する材料の変形挙動を表します。材料を引っ張りながら、応力とひずみを記録した図を応力–ひずみ線図と呼びます。横軸は伸びの割合、縦軸は単位面積あたりの力です。最初の直線部分の傾きがEで、傾きが急な材料ほど同じ応力で伸びにくくなります。塑性変形が始まる目安が降伏点です。降伏したことと、切れて破断したことは同じではありません。よく使う公称応力は、荷重を試験前の断面積で割った値です。公称ひずみは、伸びを試験前の長さで割った値です。公称応力の最大値が引張強さで、降伏応力と区別します。多くの延性金属では、伸ばす途中で一部が細くなる「くびれ」が始まります。くびれ始めまでの伸びを一様伸び、破断して突き合わせた試験片から測る最終的な伸びを破断伸びと呼びます。明瞭な降伏点がない材料では、0.2%耐力を目安にします。横軸の0.002から、最初の直線と平行な線を引き、曲線との交点の応力を読みます。「全ひずみが0.2%になった点」ではなく、弾性的に戻る分を除いた残りが0.2%に相当する点です。現在の断面積で割る真応力は、公称応力とは別です。くびれ後は場所によって細さが違うため、公称値から局所的な真応力・真ひずみを単純に換算しないようにします。
具体例
①初期断面積100 mm²、荷重20000 Nなら、公称応力は $20000/100=200\,\mathrm{MPa}$。現在の断面積が80 mm²なら、その断面の真応力は $20000/80=250\,\mathrm{MPa}$ です。②0.2%耐力が200 MPa、$E=200000\,\mathrm{MPa}$ なら、補助線上の全ひずみは $0.002+200/200000=0.003$、つまり0.3%です。③一様に伸びる区間では、真ひずみは $\ln(1+\varepsilon)$。公称ひずみ0.10なら約0.0953です。
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