用語 第2章 固体力学の基礎

トラス:つなぎ目で力を分ける

意味

トラスは、直線部材を節点で接合した骨組みです。橋や屋根の骨組みなどで使われ、部材を軸力だけで評価できる理想化が計算の出発点になります。各棒の端が回転できるピンでつながり、力がつなぎ目だけに加わると考えると、棒は基本的に引張りか圧縮の力だけを受けます。これを軸力と呼びます。棒の途中に横向きの荷重がかかる場合や、接合部が回転を止める場合は、曲げも生じるので、この理想化とは区別します。棒同士のつなぎ目を節点と呼び、節点を一つずつ取り出して力の釣合いを調べる方法が節点法です。水平の力の合計と鉛直の力の合計が、それぞれゼロになるように式を立てます。斜めの棒の力は、水平と鉛直に分けます。角度を水平から測っているなら、水平成分は軸力にcosを掛け、鉛直成分はsinを掛けた値です。角度を鉛直から測れば対応が入れ替わるので、図をよく確認します。未知の部材力は、節点から離れる向きを正の引張軸力として仮定します。答えが正なら引張り、負なら仮定と逆の圧縮です。最初に骨組み全体を取り出して支持部の反力を求めると、節点の未知数が減り、計算しやすくなります。節点では棒の作用線が一点を通るため、その点まわりのモーメント式は新しい情報を与えません。ただし、骨組み全体の反力を求めるときは、回転の釣合いも使います。各棒の力が分かれば、棒の伸びの式を使って変形を考えられます。

具体例

上側の左右へ伸びる二本の棒が、下側の一つの節点に接合され、そこに1000 Nの下向き荷重が作用するとします。左棒は水平から30°、右棒は60°で、引張軸力をS1、S2とします。①水平の釣合いは $-S_1\cos30^{\circ}+S_2\cos60^{\circ}=0$ なので $S_2=\sqrt{3}S_1$。②鉛直の釣合いは $S_1\sin30^{\circ}+S_2\sin60^{\circ}=1000$。代入すると $2S_1=1000$ です。③左棒は500 N、右棒は約866 Nの引張りになります。基本式は $\sum F_x=0$ と $\sum F_y=0$ で、斜めの軸力そのものを足して荷重に等しくするわけではありません。

トラス:つなぎ目で力を分けるの図解
図:トラス:つなぎ目で力を分ける(アプリ収録の図版)

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