公式 第4章 有限要素法の定式化

Dマトリックス(平面応力・平面ひずみ)

$\mathbf D_{\mathrm{ps}}=\frac{E}{1-\nu^2}\begin{bmatrix}1&\nu&0\\\nu&1&0\\0&0&(1-\nu)/2\end{bmatrix}$

意味・使いどころ

$\mathbf D$ は、ひずみを応力へ変換する材料行列です。ここでは等方性・線形弾性・微小変形を考え、$\boldsymbol\sigma=[\sigma_x,\sigma_y,\tau_{xy}]^T$、$\boldsymbol\varepsilon=[\varepsilon_x,\varepsilon_y,\gamma_{xy}]^T$ とします。$\boldsymbol\sigma=\mathbf D\boldsymbol\varepsilon$ なので、$\mathbf D$ の単位はヤング率と同じ応力の単位です。ポアソン比 $\nu$ による対角外の成分は、ある方向のひずみが別方向の応力にも関係することを示します。平面応力は、薄い板の表裏が自由で面内荷重が主な場合などに、$\sigma_z,\tau_{xz},\tau_{yz}$ を0と近似するモデルです。厚さ方向のひずみ $\varepsilon_z$ まで0になるわけではありません。平面ひずみは $\varepsilon_z,\gamma_{xz},\gamma_{yz}$ を0とするモデルで、奥行き方向に変化せず、その方向の伸びが抑えられる場合に用います。この場合 $\sigma_z$ は一般に0ではありません。部材が厚い、長いという形だけで決めず、荷重と拘束も確認します。平面ひずみの行列は $\mathbf D_{\mathrm{pe}}=\frac{E}{(1+\nu)(1-2\nu)}\begin{bmatrix}1-\nu&\nu&0\\\nu&1-\nu&0\\0&0&(1-2\nu)/2\end{bmatrix}$ です。どちらもせん断成分は $G=E/[2(1+\nu)]$ になります。

具体例

平面応力で $E=206000\,\mathrm{N/mm^2}$、$\nu=0.3$、$\boldsymbol\varepsilon=[0.001,0,0.002]^T$ とすると、$E/(1-\nu^2)=226373.6\,\mathrm{N/mm^2}$、$G=79230.8\,\mathrm{N/mm^2}$。$\sigma_x=226.4\,\mathrm{MPa}$、$\sigma_y=67.9\,\mathrm{MPa}$、$\tau_{xy}=158.5\,\mathrm{MPa}$ です。せん断には工学せん断ひずみ0.002を使い、さらに2倍しません。

Dマトリックス(平面応力・平面ひずみ)の図解
図:Dマトリックス(平面応力・平面ひずみ)(アプリ収録の図版)

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