疲労:繰返しの力による壊れ方
意味・使いどころ
機械部品や構造部材は、一度の荷重では破断しない応力でも、繰返し荷重によって破断することがあります。繰返しの力で損傷が進み、き裂が伸びて破断する現象が疲労です。静かに一度引っ張ったときの強さより低い応力でも起こるため、降伏しないことだけでは疲労の安全を確認できません。応力が一定の幅で増減する場合、その最大と最小の差が全振幅で、半分が応力振幅σaです。カードの式はこの半分を求めます。最大と最小の平均が平均応力σmで、$\sigma_m=(\sigma_{\max}+\sigma_{\min})/2$ です。プラスとマイナスの同じ大きさを行き来する両振りなら平均はゼロ、ゼロから引張りを行き来する片振りなら平均はプラスです。同じ振幅でも、引張りの平均応力が大きいほど疲労に不利になることがあります。S–N曲線は、応力振幅と破断までの繰返し回数を結んだ図です。横軸の回数は十倍ごとに目盛を刻むことが多いので、等間隔の数字と読み違えないようにします。一定の条件で試験すると、鋼などには、非常に多く繰り返しても破断しにくい応力振幅の目安である疲労限度が見られます。しかし、全ての材料に明瞭な疲労限度があるわけではありません。腐食、表面の傷、部品の大きさ、応力集中、荷重の変動でも結果が変わります。鋼の疲労限度を引張強さの約0.4〜0.6倍と見積もる経験的な目安がありますが、適用する試験条件を確認し、実部品の安全を保証する値として直接使いません。「疲労限度以下なら、どんな環境でも永遠に壊れない」と覚えないことが大切です。
具体例
①最大150 MPa、最小−50 MPaなら、$\sigma_a=[150-(-50)]/2=100\,\mathrm{MPa}$、$\sigma_m=[150+(-50)]/2=50\,\mathrm{MPa}$。全振幅は200 MPaです。②−100〜100 MPaでも振幅は100 MPaですが、平均はゼロです。①は同じ振幅でも引張り側に寄っています。③適用条件が合う試験片で引張強さ600 MPaから0.5倍を目安にすれば300 MPaですが、表面状態や大きさの影響などを無視して、そのまま製品の許容応力とはしません。
公式を覚えたら、問題と用語で定着
用語集・無料サンプル問題10問もどうぞ。続きはアプリ「CAE試験対策」で。