公式 第2章 固体力学の基礎

はりのたわみ:曲げ剛性EI

$\delta_{\max}=\dfrac{PL^3}{48EI}$

意味・使いどころ

はりの軸に直角な方向の変位を、たわみと呼びます。過大なたわみは、応力が降伏応力に達する前でも、部材の使用や周辺部品との接触に支障を生じさせることがあります。そのため「応力が小さい」と「たわみが小さい」は別々に確認します。曲がりにくさを表すのが曲げ剛性EIです。Eは材料そのものの変形しにくさ、Iは断面の形と向きによる曲げへの抵抗に関係する数字です。同じ長さ、荷重、支持条件で比べるなら、EIが大きいほどたわみは小さくなります。Eが二倍なら半分、Iが二倍でも半分、両方が二倍なら四分の一です。カードの式は、両端を単純支持した一様なはりの中央に、下向きの集中荷重Pを置く場合の、中央の下向きたわみの大きさです。Lは支点間の長さで、三乗になっています。同じP・E・IでLを二倍にすると、たわみは八倍です。長い棚がしなりやすい理由がここにあります。単純支持では両端のたわみがゼロですが、端の回転は許されます。片持ちはりのように片端を固定した場合や、荷重が全長へ分布する場合は係数も式の形も変わります。例えば片持ちはりの先端荷重では、先端たわみは $PL^3/(3EI)$ です。同じ長さのはりでも、支持条件を読み違えると大きな誤差になります。これらは、細長いはりの小さな弾性変形を考え、せん断による変形を無視する近似です。短く厚いはり、大きく曲がるはり、材料が降伏した場合には、そのまま使わないようにします。

具体例

両端単純支持・中央集中荷重で、$P=1000\,\mathrm{N}$、$L=1000\,\mathrm{mm}$、$E=200000\,\mathrm{N/mm^2}$、$I=100000\,\mathrm{mm^4}$ とします。①分子は $1000\times1000^3=10^{12}$。②分母は $48\times200000\times100000=9.6\times10^{11}$。③たわみは約1.042 mm。④Iだけ二倍なら約0.521 mm、同じ中央荷重でLだけ二倍なら約8.333 mmです。単位をNとmmにそろえて計算します。

はりのたわみ:曲げ剛性EIの図解
図:はりのたわみ:曲げ剛性EI(アプリ収録の図版)

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