公式 第1章 数学の基礎

テイラー展開・マクローリン展開(多変数)

$$\begin{aligned}& f(x,y)= f(0,0) \\ & +\tfrac{1}{1!}\left(f_x\,x+f_y\,y\right) \\ & +\tfrac{1}{2!}\left(f_{xx}\,x^{2}+2f_{xy}\,xy+f_{yy}\,y^{2}\right) \\ & +\tfrac{1}{3!}\left(f_{xxx}\,x^{3}+3f_{xxy}\,x^{2}y+3f_{xyy}\,xy^{2}+f_{yyy}\,y^{3}\right)+\cdots\end{aligned}$$

意味・使いどころ

1変数のマクローリン展開 $f(x)=f(0)+\dfrac{f'(0)}{1!}x+\dfrac{f''(0)}{2!}x^{2}+\dfrac{f'''(0)}{3!}x^{3}+\cdots$ を多変数へ広げたものです(上式の偏微分はすべて原点 $(0,0)$ で評価)。一般形は $f(a+h,b+k)=\sum_{n}\dfrac{1}{n!}\left(h\dfrac{\partial}{\partial x}+k\dfrac{\partial}{\partial y}\right)^{n}f(a,b)$ で、基準点が原点 $(a,b)=(0,0)$ の場合がマクローリン展開です。各 $n$ 次の項は二項展開になり、係数はパスカルの三角形($n=2$ で 1,2,1/$n=3$ で 1,3,3,1)。「一次まで」の近似なら $n=1$ の項で止めます。

具体例

【手順1】各偏微分係数を $(1,1)$ で求める:$f(1,1)=0$、$f_x=2x-2y$ なので $f_x(1,1)=0$、$f_y=-2x+2y$ なので $f_y(1,1)=0$、$f_{xx}=2$、$f_{xy}=-2$、$f_{yy}=2$。【手順2】1次の項は $f_x,f_y$ が0なので消え、2次の項だけ残る:$f=\dfrac{1}{2!}\left[f_{xx}(x-1)^2+2f_{xy}(x-1)(y-1)+f_{yy}(y-1)^2\right]=\dfrac12\left[2(x-1)^2-4(x-1)(y-1)+2(y-1)^2\right]$。【手順3】$\dfrac12$ を掛けて $f=(x-1)^2-2(x-1)(y-1)+(y-1)^2$。【検算】もとの式は $f=(x-y)^2$ で、$x-y=(x-1)-(y-1)$ だから $f=\{(x-1)-(y-1)\}^2$ を展開しても同じ式になる(元が2次式なのでテイラー展開は厳密に一致)。

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